「葉巻は難しい」、「葉巻は敷居が高そうで取っつきにくい」 そう思っていませんか? 確かに葉巻はタバコとは違って、喫煙に一定の技術を要します。でも実はこのスキルやルールは、思ったほど難しいことでも堅苦しいことでもないのです。 このHOW TOでは、葉巻の吸い方を (1)カット (2)着火 (3)吸い方 の3ステップに分けて、必要な情報と"コツ"をわかりやすくまとめています。
そして最後に (4)葉巻の道具 のステップでは、葉巻を始めるのに、そろえておくと葉巻をよりいっそう楽しめる、基本的な道具について解説しています。 実は私自身がそうでしたが、葉巻は一人でも始められます。これを読んで、新しい経験にトライしてみてください。 きっと、素晴らしい時間が待っていますよ。
全ての葉巻に対応する汎用性の高いカットが、フラットカットです。始めは両刃のギロチンカッターが初心者の方にはおすすめですが、片刃のギロチンカッターやシガーシザー(はさみ)を使うやり方もあります。フラットカットは、パンチカットと比べて葉巻の味わいはマイルドになります。
まず、葉巻のヘッド(キャップ)の形状をよく見て、カット位置を見定めます。 キャップの丸みの2/3を切り落とすイメージです。
刃をあてる位置を調整する際、ラッパーを傷つけないように注意し、刃を軽くキャップにあてます。この位置決めが、ほぼカットの成否を決めるので、慌てずにじっくりと位置を合わせましょう。
葉巻とカッターをしっかり持って、カッターをやや葉巻に押しつけるようにして、思い切って一気にカットします。ゆっくりカットすると失敗しやすいです。
キャップを押さえずにカットすると、葉屑が飛び散ります。 カットに慣れてきたら、この写真のようにキャップを指で押さえたままカットするようにしましょう。そうすれば、灰皿の周りを葉屑で散らかさずにすみます。
フラットカットした断面は、上の写真のようになります。 カット面が大きいため、吸い込む煙の流速が抑えられ、味わいはマイルドになります。 ヘッドの丸みが残せていればGOODです。
小サイズの葉巻は、ヘッドがきれいな丸みを帯びていないことがあります。その場合でも、わずかに丸みを残せるカット位置を見つけてカットします。ヘッドの丸みが多いほど、唇へあたる感触は良くなります。
パンチカットは、専用のカッターでキャップに丸い穴をくり抜くカットスタイルです。葉巻を巻く上で最も技術を要するキャップ部を切り落としてしまわずに丸みを残した、口当たりの良いスモーキングが特徴です。またフラットカットに比べカット面が小さいことから、葉巻の風味が強く感じられるようになるカット方法でもあります。
パンチカットは難しくありません。ですがカット穴は真ん中に空けた方が良いので、まずその位置を確認します。葉巻の太さに合ったパンチ径かどうかも見ておきましょう。
まずパンチカッターをヘッド(キャップ)の中心にあて、カッターは葉巻の軸線と一直線になるように構えます。
葉巻とカッターをしっかり持って、カッターをやや葉巻に押しつけるようにして、カッターを左右に回転させながら徐々に葉巻に押し込んでいきます。3~5mm刃が入ったらカッターを抜きます。
パンチカッターを抜くと、キャップには丸い吸い口ができています。簡単でしょう?そう、パンチカットは失敗しにくいカット方法でもあるのです。 カットしたキャップ屑はカッターの刃に残っているので、灰皿に落としておきましょう。
パンチカットした吸い口は、上の写真のようになります。 キャップの丸みがしっかりと残せるので、非常に口当たりの良いスモーキングが楽しめます。また葉屑が口に入ってくることもありません。
葉巻の着火にはいくつか方法がありますが、最も簡単で確実なのが葉巻用ライターによる着火です。葉巻用ライターにはターボフレームとソフトフレームの2種類がありますが、最初に買うライターはターボフレームタイプがお薦めです。オイルライターは葉巻の香りを損ねるので使わない方が賢明です。
葉巻の着火で注意すべきポイントは二点あります。一つは『しっかりと火を着けきる』こと、そして『ラッパーを焦がさない』ことです。 ではライターで葉巻に火を着ける方法を見ていきましょう。
ターボライターでの葉巻の着火は、葉巻をほぼ水平に持って、炎を横からあてます。一番大事なことは、どの程度火が着いたかが自分で見えるように葉巻を持つことです。
上の写真のように、葉巻を立てて着火するのはお薦めできません。 火がどの程度着いたかを確認しにくいですし、フットに当たった炎がラッパーまで回り込んで、ラッパーを焦がしてしまう可能性が高いためです。
上の写真のような火のあて方は、ターボライターでの着火には適しません。 この向きでの着火はラッパーを焦がしてしまうおそれがあります。
フットを炙る際は、中央部だけを炙るのではなく、フット全体に火が着くようにゆっくりとライターを動かし(回し)ながら火を着けていきます。
着火完了の目安は、フットの外周に1mm程度白い灰が見えるようになるまで、しっかりと火を着けきることです。 着火が不十分だとすぐに火が消えてしまったり、片燃えしたりします。
フットの全周が白く灰化しているのがわかります。こうなったらライターを置いて、ゆっくりとシガーを薫らしはじめましょう。
葉巻の着火をマッチで行う場合は、葉巻専用のマッチを使用します。葉巻専用マッチは硫黄を含んでいないので、マッチ特有の匂いがせず葉巻の香りを損ないません。また通常のマッチよりも軸が長く、着火に時間のかかる葉巻に適したものとなっています。
マッチに火を着けたら、マッチの箱を葉巻に持ち替えて、上の写真のような向きに持ちます。 ポイントは、火の着き具合が見えるように、フットをやや手前に向けることです。
マッチの炎の位置を固定し、葉巻を左手の指で回しながら、炎の熱を取り込んでいくようにして着火していきます。 ポイントは、炎を葉巻に直接あてず、炎の先端の最も温度の高い部分の熱を利用することです。 つい炎を葉巻にあてたくなると思いますが、火を近づけすぎるとかえって着火に時間がかかります。
上の写真は、葉巻と炎の最適な位置関係を真横からみたものです。 「こんなに葉巻から離すの?」と思われるかもしれませんが、炎を葉巻にあてるとススが付く上、着火に時間がかかります。 炎の先端の熱を、フット中央よりもやや外側から角付近にあてた方がスムースに着火できます。
マッチの炎はライターと違い常に一定の大きさではありません。よって、一定の炎を維持するには自分でコントロールしてやる必要があります。 基本は、火を大きくしたいときはマッチの頭を下げ、火を小さくしたいときはマッチの頭を上げます。
着火完了の目安は、フットの外周に1mm程度白い灰が見えるようになるまで、しっかりと火を着けきることです。 慣れないうちは何本もマッチを使うことになると思いますが、慣れれば1~2本で着火できるようになります。
葉巻を吸う(薫らせる)うえで一番大切なことは何か、それは「葉巻を愉しむ」ということです。周りの人に対する配慮やマナーは大人の嗜みとして当然のことですが、ルールやマナーについては、絶対的なものではありません。慣れないうちは各種の動作に戸惑い、自分でもぎこちなさが気になるかもしれませんが、これらは経験を重ねるうちに自然と慣れてくるものです。あまり難しく考えず、それよりも今火を着けた葉巻との出会いを存分に楽しみましょう。
葉巻の持ち方には、特にルールはありません。自分に合った(しっくりとくる)持ち方を見つけて下さい。リラックスして葉巻を愉しむことの出来る持ち方が、あなたに一番あった持ち方です。 一点だけ注意して欲しいのは、葉巻はタバコに比べ大きさも重さもありますので、タバコのような持ち方だと葉巻が安定しません。タバコよりも重く大きいことを認識して、安定したホールドを見つけて下さい。
参考までに、葉巻の持ち方の例をいくつかご紹介致します。ちなみに私は、右上の写真の持ち方(ビリヤードのキューを持つような感じですね)です。
葉巻の灰はラジエターの役割を持ち、葉巻を美味しく吸うためのコツ『クールスモーキング』に一役かっています。またプレミアムシガーは刻んでいない葉を巻いているので、タバコのようにはポロポロ灰が落ちません。 ですので 葉巻の灰は最低1cm、できれば2cm程度になるまでは落とさないようにしましょう。
上の写真は灰の長さが約2cm程度になったところです。これくらいが灰を落とすには丁度良いタイミングです。 敏感な方なら、灰を落とした後に風味が変わることに気付かれるでしょう。
【方法1】は、タバコの灰を落とすのと同じ要領です。指で軽く葉巻をたたき、灰を落とします。 灰が飛び散るのを避けるためにも、灰皿の角に叩き付けるのはやめておいた方が良いでしょう。
この方法も葉巻に慣れた上級者にはよく見られる方法です。 灰皿に灰の先端部をあて、軽く折るようにして灰を落とします。
葉巻の基本的な喫煙方法は、口腔喫煙です。これは煙を肺に入れずに"噴かす"やりかたです。タバコを吸われる方は、煙をつい肺に吸い込んでしまいそうになるかもしれませんが、これをやるとかなりむせますので気をつけて下さい。
また葉巻の風味をより美味しく味わい、香りを楽しむには、クールスモーキングを心がけることが大切です。そのためには、せかせかと吸わず、ゆっくりとした吸い込み・ペースで薫らせることが大切です。
さて葉巻の吸い方ですが、まず煙をゆっくりと、5~10秒かけて口の中へ吸い込んでいきます。吸い込んでいる途中、鼻の息を止めていると苦しいので鼻で呼吸を続けます。煙を口腔内に吸い込み終わったら、それまでどおり鼻で呼吸を続けながら煙を口の中でコロコロと転がして味わいます。そして呼吸のリズムで息を吐くタイミングに合わせて、モワ~ッと口から煙を吐き出します。このとき、吐く息で煙を吹き出してしまうではなく、舌で煙を押し出すような感じです。
葉巻を薫らせるペース、これは基本に人それぞれ好みでかまわないのですが、美味しくそして心地よく葉巻を薫らすために適したペースというのも存在します。良く言われるのは、1分間に1回程度吸うというペースですが、これもあくまで目安に過ぎません。というのも、一度の吸い込みが多い(強い)人は、もっと間隔を開けた方が良い場合があり、逆に吸い込み量が少ない人は、間隔を開けすぎると火が消えてしまうのです。
ベストなペースは人それぞれですので、経験を積むうちに、あなたに適したペースが見つかると思いますが、初めのうちは次のような"ペースの目安"を知っておくと便利です。
上の写真の様に火の部分が尖ってきたら、早く吸い過ぎです。早いペースのスモーキングは煙の温度を上げてしまうため、辛味や刺激が強くなってしまいます。 吸う間隔を延ばすか、一度に吸う量を減らしてみましょう。
丁度良いペースで薫らせた葉巻はフラットに燃え進んでいきます。 このように吸えていれば、葉巻の味わいを充分に引き出していると言って良いでしょう。
上の写真の様に火の部分がラッパーよりも凹んできたら、吸うペースが遅すぎです。やがて吸っている途中に火が消えてしまうでしょう。 早いペースのように味わいを落とすことはありませんが、何度も火を着けなおすことになるので、もう少し吸う間隔を短くするか、一度に吸う量を増やしてみましょう。
さて、何事も初めが肝心といいますが、葉巻を始めるにあたって、出来ればそろえておきたい道具についてご紹介しておきましょう。葉巻の経験を重ね、その楽しさや違いがわかってくると、やがて葉巻や道具選びにもさらなるこだわりが出てくるとは思いますが、ここではまず初心者の方に向けて、基本の道具を解説します。
1.の葉巻は道具ではありませんが、上の写真で道具の大きさをイメージしやすくするために写真に入れてみました。さて、まず最初に手に入れていただきたいのが2.のフラットカッターです。葉巻はカッターが無いと吸い口が作れませんので必ず必要です。500円程度の安いものから数万円のものまでピンキリですが、1,000円以下のカッターは20~30回カットすると切れ味が落ちてきて買い替え時が来ると思っておいた方が良いでしょう。最初に買うのにお薦めなのは、ステンレス刃のダブルブレードカッターです。
次にそろえた方が良いのが、4.の葉巻用のライターです。これを持っていると、葉巻の着火がスムースに、そして簡単に行えます。新たに買う場合は、カッターが内蔵されている葉巻専用のタイプがお薦めです。何故かというと、これなら外出時でもカッターを持ち歩かずにすむからです。価格は5,000円程度からありますが、10,000円以上のものの方が、カッターの切れ味も良く、長く愛着を持って使えると思います。
6.の葉巻用灰皿は無くても困らないものではありますが、葉巻喫煙中、灰皿に葉巻を置かれる方は持っておいた方が良いでしょう。葉巻用灰皿は水平に葉巻を置いておけるようになっており、これは灰を長くキープするためにそうなっています。普通の灰皿に葉巻を斜めに置くと、灰が折れてしまいやすいのです。灰を長めにキープすることはクールスモーキングにつながります。
そして、葉巻の経験をある程度積んできたら試していただきたいのが、3.と5.のパンチカットとマッチでの着火です。フラットカットを何本も経験していると、パンチカットとの違いが良くわかると思います。カットによって風味をコントロールするというのも、実は葉巻の楽しみ方の一つなのです。 またマッチでの着火は、葉巻の正式なサーブなどで見られる着火方法で、ライターでの着火より、よりエレガントな方法です。いつか、人前でマッチを使って着火することがあるかもしれません。その時のために、ご自宅などで一度は試しておくと良いでしょう。
こんばんは ゲストさん
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